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福岡地方裁判所 昭和60年(わ)1120号 判決

本籍

北九州市八幡西区大字藤田一、八六三番地

住居

同市同区藤田二丁目六番二五号

会社役員

渡邊千鶴子

昭和九年一月二二日生

本籍

北九州市八幡西区大字藤田一、八六三番地

住居

同市同区藤田二丁目六番二七号

会社役員

渡邊千恵子

昭和一二年五月三〇日生

本籍

北九州市八幡西区大字藤田一、八六三番地

住居

同市門司区柳町二丁目二番二七号

会社役員

渡邊マサノ

明治四〇年一月二八日生

右三名に対する各所得税法違反被告事件について当裁判所は、検察官吉田幸久出席のうえ審理し、次のとおり判決する。

主文

1  被告人渡邊千鶴子を懲役二年及び罰金一億三、〇〇〇万円に、被告人渡邊千恵子を懲役一年二月に、被告人渡邊マサノを懲役一年二月及び罰金四、〇〇〇万円に各処する。

2  被告人渡邊千鶴子、同渡邊マサノにおいてその罰金を完納することができないときは、被告人渡邊千鶴子について金四〇万円を被告人渡邊マサノについて金二〇万円をそれぞれ一日換算した期間、その被告人を労役場に留置する。

3  被告人渡邊千恵子、同渡邊マサノに対し、この裁判確定の日から三年間その懲役刑の執行を猶予する。

4  訴訟費用は、その三分の一ずつを各被告人の負担とする。

理由

(罪となるべき事実)

第一  被告人渡邊千鶴子は、「日の丸商事」の屋号で北九州市八幡西区黒崎二丁目二番一号等において、パチンコ店「太陽会館」、「ニュー太陽」等を経営する渡邊健太郎の長女で、同人に代わってその事業を統括するもの、被告人渡邊千恵子は被告人渡邊千鶴子の妹で、同被告人を補佐して売上金の管理等を行うものであるが、被告人両名は共謀のうえ、右渡邊健太郎の業務に関し、同人の所得税を免れようと企て、前記パチンコ店における売上の一部を除外するなどし、それによって得た簿外資金で割引債券を購入するなどの方法により所得を秘匿したうえ、

一  渡邊健太郎の昭和五六年分の実際所得金額は、別紙(一)修正損益計算書記載のとおり、四億九九七万九、二〇四円であり、これに対する所得税額は、二億九、二二六万六、〇〇〇円であったにもかかわらず、昭和五七年三月一五日、北九州市八幡東区西本町四丁目一四番一六号所在の所轄八幡税務署において、同税務署長に対し、所得金額は、二億一、四七一万五二八円であり、これに対する所得税額は一億四、六一一万七、二〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により右渡邊健太郎の昭和五六年分の正規の所得税額二億九、二二六万六、〇〇〇円との差額一億四、六一四万八、八〇〇円を免れ、

二  渡邊健太郎の昭和五七年分の実際所得金額は、別紙(二)修正損益計算書記載のとおり、六億三、一九七万四、五三七円であり、これに対する所得税額は、四億五、八六五万二、二〇〇円であったにもかかわらず、昭和五八年三月一五日、前記八幡税務署において、同税務署長に対し、所得金額は三億四、九一三万一、九六五円であり、これに対する所得税額は二億四、六八五万七、五〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により右渡邊健太郎の昭和五七年分の正規の所得税額四億五、八六五万二、二〇〇円との差額二億一、一七九万四、七〇〇円を免れ、

三  渡邊健太郎の昭和五八年分の実際所得金額は、別紙(三)修正損益計算書記載のとおり、六億二、四五三万七、八九一円であり、これに対する所得税額は、四億五、二三二万三、〇〇〇円であったにもかかわらず、昭和五九年三月一五日、前記八幡税務署において、同税務署長に対し、所得金額は三億一、二九〇万二、三一五円であり、これに対する所得税額は二億一、八九八万七、五〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により右渡邊健太郎の昭和五八年分の正規の所得税額四億五、二三二万三、〇〇〇円との差額二億三、三三三万五、五〇〇円を免れ、

第二  被告人渡邊千鶴子は、「藤田商事」の屋号で北九州市八幡西区黒崎二丁目二番一八号等において、パチンコ店「ニューハワイ」(昭和五八年九月まではパチンコ店「ハワイ」、「ニューハワイ」の二店)等を経営するもの、被告人渡邊千恵子は、被告人渡邊千鶴子を補佐して売上金の管理等を行うものであるが、被告人両名は共謀のうえ、被告人渡邊千鶴子の所得税を免れようと企て、前記パチンコ店における売上の一部を除外するなどし、これによって得た簿外資金で割引債券を購入するなどの方法により所得を秘匿したうえ、

一  被告人渡邊千鶴子の昭和五六年分の実際所得金額は、別紙(四)修正損益計算書記載のとおり、三億二、四九二万五、七二一円であり、これに対する所得税額は、二億二、八五六万九、四〇〇円であったにもかかわらず、昭和五七年三月一五日、前記八幡税務署において、同税務署長に対し、所得金額は一億八、八七三万七、九三八円であり、これに対する所得税額は一億二、六九三万六、一〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により右渡邊千鶴子の昭和五六年分の正規の所得税額二億二、八五六万三、三〇〇円との差額一億一六三万三、三〇〇円を免れ、

二  渡邊千鶴子の昭和五七年分の実際所得金額は、別紙(五)修正損益計算書記載のとおり、四億四、六四〇万六、三八九円であり、これに対する所得税額は三億二、〇二〇万八、二〇〇円であったにもかかわらず、昭和五八年三月一五日、前記八幡税務署において、同税務署長に対し、所得金額は、二億七、五四三万六、二三七円であり、これに対する所得税額は一億九、二〇四万六、七〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により右渡邊千鶴子の昭和五七年分の正規の所得税額三億二、〇二〇万八、二〇〇円との差額一億二、八一六万一、五〇〇円を免れ、

三  被告人渡邊千鶴子の昭和五八年分の実際所得金額は、別紙(六)修正損益計算書記載のとおり、三億四、一八三万二、三一二円であり、これに対する所得税額は、二億四、一七九万二、七〇〇円であったにもかかわらず、昭和五九年三月一五日、前記八幡税務署において、同税務署長に対し、所得金額は一億七、八〇〇万九、七六〇円であり、これに対する所得税額は一億一、八九九万七〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により右渡邊千鶴子の昭和五八年分の正規の所得税額二億四、一七九万二、七〇〇円との差額一億二、二八〇万二、〇〇〇円を免れ、

第三  被告人渡邊マサノは、北九州市門司区柳町二丁目二番二七号において、パチンコ店「ニュー門司」を経営するものであるが、自己の所得税を免れようと企て、同パチンコ店における売上の一部を除外するなどし、これによって得た簿外資金で割引債券を購入するなどの方法により所得を秘匿したうえ、

一  自己の昭和五六年分の実際所得金額は、別紙(七)修正損益計算書記載のとおり、一億一三万九、八六七円であり、これに対する所得税額は六、〇〇八万三、七〇〇円であったにもかかわらず、昭和五七年三月一五日、北九州市門司区清滝三丁目五番三〇号所在の所轄門司税務署において、同税務署長に対し、所得金額は、五、一七七万四、一七二円でり、これに対する所得税額は二、六〇八万五、六〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により自己の昭和五六年分の正規の所得税額六、〇〇八万三、七〇〇円との差額三、三九九万八、一〇〇円を免れ、

二  自己の昭和五七年分の実際所得金額は、別紙(八)修正損益計算書記載のとおり、一億六、四一八万四〇九円であり、これに対する所得税額は一億七九八万八、二〇〇円であったにもかかわらず、昭和五八年三月一五日、前記門司税務署において、同税務署長に対し、所得金額は、七、三五一万五、五八三円であり、これに対する所得税額は四、〇八二万八、五〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により自己の昭和五七年分の正規の所得税額一億七九八万八、二〇〇円との差額六、七一五万九、七〇〇円を免れ、

三  自己の昭和五八年分の実際所得金額は、別紙(九)修正損益計算書記載のとおり、一億九、三四〇万六、六八九円であり、これに対する所得税額は、一億二、九〇六万七、七〇〇円であったにもかかわらず、昭和五九年三月一五日、前記門司税務署において、同税務署長に対し、所得金額は、五、七三二万二、二一七円であり、これに対する所得税額は二、八九六万八、二〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により自己の昭和五八年分の正規の所得税額一億二、九〇六万七、七〇〇円との差額一億九万九、五〇〇円を免れ、

たものである。

(証拠の標目)

判示全事実関係につき

一  被告人渡邊千鶴子の大蔵事務官に対する質問てん末書三通

(検七二、七三、七六号)

一  被告人渡邊千恵子の大蔵事務官に対する質問てん末書五通

(検八八、九〇ないし九三号)

一  被告人渡邊千恵子の検察官に対する供述調書

一  被告人渡邊千恵子作成の申述書二通(検五九、六〇号)

一  渡邊雅文の大蔵事務官に対する質問てん末書(検四五号)

一  渡邊雅文の検察官に対する供述調書

一  中原健二作成の査察官調査書

一  内納浩一作成の査察官報告書

判示第一及び第二の各一ないし三の事実につき

一  被告人渡邊千鶴子、同渡邊千恵子の当公判廷(第一回)における各供述

判示第一の事実につき

一  被告人渡邊千鶴子ほか二名作成の上申書

一  被告人渡邊千鶴子ほか一名作成の上申書(検五七号)

一  大森隆心の大蔵事務官に対する質問てん末書二通(検三一、三四号)

一  渡邊健太郎の検察官に対する供述調書

一  内納浩一ほか一名作成の領置てん末書(検四号)

一  前田稔作成の脱税額計算書説明資料

判示第一の一の事実につき

一  前田稔作成の脱税額計算書(検一六号)

一  押収してある昭和五六年分の所得税の確定申告書一綴(昭和六〇年押第三七八号の1)

判示第一の二の事実につき

一  前田稔作成の脱税額計算書(検一七号)

一  押収してある昭和五七年分の所得税の確定申告書一綴(前同号の2)

判示第一の三の事実につき

一  前田稔作成の脱税額計算書(検一八号)

一  押収してある昭和五八年分の所得税の確定申告書一綴(前同号の3)

判示第一及び第二の事実につき

一  被告人渡邊千鶴子ほか一名作成の上申書二通(検五四、五五号)

一  被告人渡邊千鶴子の大蔵事務官に対する質問てん末書八通(検七四、七五、七七ないし七九、八一、八二、八四号)

一  被告人渡邊千鶴子の検察官に対する供述調書二通(検八五、八六号)

一  被告人渡邊千鶴子作成の申述書

一  被告人渡邊千恵子の大蔵事務官に対する質問てん末書(検八九号)

一  大森隆心の大蔵事務官に対する質問てん末書三通(検三〇、三二、三五号)

一  大森隆心の検察官に対する供述調書二通(検三六、三七号)

一  高橋ユキ子の大蔵事務官に対する質問てん末書

一  高橋ユキ子の検察官に対する供述調書

一  渡邊雅文の大蔵事務官に対する質問てん末書(検四四号)

一  永沼文夫の大蔵事務官に対する質問てん末書(検五二号)

判示第二の事実につき

一  被告人渡邊千鶴子ほか一名作成の上申書二通(検五八、六二号)

一  被告人渡邊千鶴子ほか一名作成の申述書

一  高橋ユキ子の大蔵事務官に対する質問てん末書三通(検四〇ないし四二号)

一  馬渡明ほか一名作成の領置てん末書

一  中原健二作成の脱税額計算書説明資料

判示第二の一の事実につき

一  被告人渡邊千鶴子の大蔵事務官に対する質問てん末書二通(検八〇、八三号)

一  被告人渡邊千鶴子の検察官に対する供述調書(検八七号)

一  梶原章旺の大蔵事務官に対する質問てん末書

一  大森隆心の大蔵事務官に対する質問てん末書(検三三号)

一  大森隆心の検察官に対する供述調書(検三八号)

一  中原健二作成の脱税額計算書(検二〇号)

一  中原健二作成の査察官報告書

一  押収してある昭和五六年分の所得税の確定申告書一綴(前同号の4)

判示第二の二の事実につき

一  中原健二作成の脱税額計算書(検二一号)

一  押収してある昭和五七年分の所得税の確定申告書一綴(前同号の5)

判示第二の三の事実につき

一  中原健二作成の脱税額計算書(検二二号)

一  押収してある昭和五八年分の所得税の確定申告書一綴(前同号の6)

判示第三の全事実関係につき

一  被告人渡邊マサノの当公判廷(第一回)における供述

一  被告人渡邊マサノの大蔵事務官に対する質問てん末書七通

一  被告人渡邊マサノの検察官に対する供述調書

一  被告人渡邊マサノほか一名作成の上申書

一  被告人渡邊マサノほか一名作成の申述書

一  永沼文夫の上申書

一  永沼文夫の大蔵事務官に対する質問てん末書(検五三号)

一  岩渕純夫の大蔵事務官に対する質問てん末書三通

一  岩渕純夫の検察官に対する供述調書

一  金丸忠作成の脱税額計算書説明資料

一  内納浩一ほか一名作成の領置てん末書(検一二号)

判示第三の一の事実につき

一  内納浩一作成の脱税額計算書(検二五号)

一  押収してある昭和五六年分の所得税の確定申告書一綴(前同号の7)

判示第三の二の事実につき

一  内納浩一作成の脱税額計算書(検二六号)

一  押収してある昭和五七年分の所得税の確定申告書一綴(前同号の8)

判示第三の三の事実につき

一  内納浩一作成の脱税額計算書(検二七号)

一  押収してある昭和五八年分の所得税の確定申告書(前同号の9)

(法令の適用)

一  被告人渡邊千鶴子に対し

罰条

判示第一の一ないし三の各所為につき いずれも刑法六〇条、所得税法二三八条一項、二項、二四四条

判示第二の一ないし三の各所為につき いずれも刑法六〇条、所得税法二三八条一項、二項

刑種の選択

各罪につき いずれも懲役刑と罰金刑とを併科

併合罪の処理

懲役刑については刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(犯情の最も重い判示第一の三の罪の刑に法定の加重)

罰金刑については刑法四五条前段、四八条二項

労役場留置

刑法一八条

一  被告人渡邊千恵子に対し

罰条

判示第一の一ないし三の各所為につき いずれも刑法六〇条、所得税法二三八条一項、二四四条

判示第二の一ないし三の各所為につき いずれも刑法六〇条、所得税法二三八条一項

刑種の選択

各罪につき いずれも懲役刑を選択

併合罪の処理

刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(犯情の最も重い判示第一の三の罪の刑に法定の加重)

刑の執行猶予

刑法二五条一項

一  被告人渡邊マサノに対し

罰条

判示第三の一ないし三の各所為につき いずれも所得税法二三八条一項、二項

刑種の選択

各罪につき いずれも懲役刑と罰金刑とを併科

併合罪の処理

懲役刑については刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(犯情の最も重い判示第三の三の罪の刑に法定の加重)

罰金刑については刑法四五条前段、四八条二項

労役場留置

刑法一八条

懲役刑の執行猶予

刑法二五条一項

一  被告人三名に対し

訴訟費用の負担

刑事訴訟法一八一条一項本文

(量刑の事情)

一  被告人渡邊千鶴子について

既に判示したところからも明らかなように、同被告人は、いずれもパチンコ店を経営する「日の丸商事」の事業統括者としてまた、「藤田商事」の経営者として、被告人渡邊千恵子と共謀のうえ、同被告人らの実父渡邊健太郎及び被告人渡邊千鶴子の各昭和五六年度分から昭和五八年度分までの三事業年度にわたり、合計九億四、〇〇〇万円余の所得税を免れた事案で、逋脱額はあまりにも巨額であり、逋脱の手口もパチンコ店の売上げを一部除外して簿外とする方法により遠隔地の銀行で割引債券を購入したり、又は同被告人所有の土地の売却による譲渡所得のうち一部を申告せずに所得を隠ぺいしたものであり、犯行の動機も専ら老令の父渡邊健太郎が死亡するに至った際の相続税の資金にあてようとの私欲のためになされたことを考えると、犯情は悪質であり、刑責もまた重大であるというべきである。してみると、本件においては、当然のことながら本税、重加算税、延滞税等を納付したこと、反省の情も認められること、前科前歴もないこと等のほか、同被告人がネフローゼ病等で病弱の身にあることなどを考慮に入れても、叙上認定の本件の規模、犯情等に照らすと、主文第一項掲記の量刑はやむを得ないものと思料した。

一  被告人渡邊千恵子について

同被告人に該る本件犯罪の重大性は、既に被告人渡邊千鶴子について説示したところからも明らかであるが、ただ同被告人は被告人渡邊千鶴子を補佐して本件に関与したものであり、また本件逋脱による実質的利得者ではないので、従って被告人渡邊千恵子の刑責は被告人渡邊千鶴子に比し、軽いとみて差し支えないが、やはり罪質上相応の処罰を受けることを免れないところ、反省の情も認められること、前科前歴もないこと等を考慮して、同被告人に対しては主文第一項掲記のとおり懲役一年二月に処し、その刑責を明確にしたうえ、右の執行を猶予するのを相当と認めた。

一  被告人渡邊マサノについて

同被告人は、パチンコ店「ニュー門司」の経営者として、昭和五六年度分から昭和五八年度分までの三事業年度にわたり合計二億円余りの所得税を免れたもので、逋脱額は多額で、逋脱の手口もパチンコ店の売上げを一部除外して薄外とする方法により遠隔地の銀行で割引債券を購入していた点において、犯情は悪く、刑責も重いといわなければならない。ところで、同被告人は独りぐらしで、昭和二六年ころから女手一つでパチンコ店を経営し現在に至っているものであるが、犯行の動機はこの種の業界の激しい競争にうち克つためになされたものであること、本税、重加算税、延滞税等を納付していること、反省の情も認められること、さしたる前歴もないことのほか、既に八〇歳に近い老令であることをも斟酌し、これに万般の考慮を加えると、同被告人に対しては主文第一項掲記のとおりの懲役刑と罰金刑に処し、本件の刑責を明確にしたうえで、その懲役刑の執行はこれを猶予するのが相当であると思料した次第である。

よって主文のとおり判決する。

(裁判官 宮城京一)

別紙(一) 修正損益計算書

渡邊健太郎

自 昭和56年1月1日

至 昭和56年12月31日

〈省略〉

別紙(二) 修正損益計算書

渡邊健太郎

自 昭和57年1月1日

至 昭和57年12月31日

〈省略〉

別紙(三) 修正損益計算書

渡邊健太郎

自 昭和58年1月1日

至 昭和58年12月31日

〈省略〉

別紙(四) 修正損益計算書

渡邊千鶴子

自 昭和56年1月1日

至 昭和56年12月31日

〈省略〉

修正損益計算書

渡邊千鶴子

自 昭和56年1月1日

至 昭和56年12月31日

〈省略〉

別紙(五) 修正損益計算書

渡邊千鶴子

自 昭和57年1月1日

至 昭和57年12月31日

〈省略〉

別紙(六) 修正損益計算書

渡邊千鶴子

自 昭和58年1月1日

至 昭和58年12月31日

〈省略〉

別紙(七) 修正損益計算書

渡邊マサノ

自 昭和56年1月1日

至 昭和56年12月31日

〈省略〉

別紙(八) 修正損益計算書

渡邊マサノ

自 昭和57年1月1日

至 昭和57年12月31日

〈省略〉

別紙(九) 修正損益計算書

渡邊マサノ

自 昭和58年1月1日

至 昭和58年12月31日

〈省略〉

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